同労者

キリスト教—信徒の志す—

論説

— 創世記8章 —
<聖書を読みましょう>

「神は、ノアと、箱舟の中に彼といっしょにいたすべての獣や、すべての家畜とを心に留めておられた。それで、神が地の上に風を吹き過ぎさせると、水は引き始めた。 また、大いなる水の源と天の水門が閉ざされ、天からの大雨が、とどめられた。そして、水は、しだいに地から引いていった。水は百五十日の終わりに減り始め、 箱舟は、第七の月の十七日に、アララテの山の上にとどまった。 水は第十の月まで、ますます減り続け、第十の月の一日に、山々の頂が現れた。 四十日の終わりになって、ノアは、自分の造った箱舟の窓を開き、 烏を放った。するとそれは、水が地からかわききるまで、出たり、戻ったりしていた。また、彼は水が地の面から引いたかどうかを見るために、鳩を彼のもとから放った。鳩は、その足を休める場所が見あたらなかったので、箱舟の彼のもとに帰って来た。水が全地の面にあったからである。彼は手を差し伸べて鳩を捕らえ、箱舟の自分のところに入れた。それからなお七日待って、再び鳩を箱舟から放った。鳩は夕方になって、彼のもとに帰って来た。すると見よ。むしり取ったばかりのオリーブの若葉がそのくちばしにあるではないか。それで、ノアは水が地から引いたのを知った。それからなお、七日待って、彼は鳩を放った。鳩はもう彼のところに戻って来なかった。」(創世記 8:1-12)

 ノア箱舟について書かれていることを注意深く読んでみましょう。前にものべたように形は高さ、幅、長さしか書かれていません。3階建てで、各階に戸口がありました(創世記 6:16)。今の普通の船のように、甲板に戸口があり、降りていく構造でありません。戸口は空(天)に向いているなどと書かれたものを読んだことがありますが、それは誤りで側面です。そして戸口は彼らと動物たちが入るときに、その1回だけ使われて、後は彼らが出てくるときに使われました。箱舟のなかはたくさんの部屋に仕切られました(6:14)。箱舟に天窓がつくられましたが、それは、上向き(甲板)につけられたのではなく、側面の最上部、1キュビト以内の部分につけられたと読めます(6:16)。
 箱舟におおいがつけられていたことが書かれています(8:13)が、それがどのようなものであったかは全く分かりません。ただ甲板に立つのに邪魔なようです。
 箱舟が漂着した地は、アララテの山の上と書かれていますが、それはトルコのアララテ山であるというのが最も有力な推定です。
「神が地の上に風を吹き過ぎさせると、水は引き始めた。」イスラエルがエジプトをでたとき風と共に紅海の水が分かれ(出エジプト記 14:21)ました。
虹をしるしとして「神は二度とのろうことをしない」(創世記8:21)と約束されました。洪水もすべて神のご配慮のできごとです。