わかふうふ、わかもん、いっしょに学ぼっ!
-安定と変化 -
茂永 頼子
「アベルもまた彼の羊の初子の中から、それも最上のものを持って来た。主はアベルとそのささげ物とに目を留められた。」(創世記4:4)
今年の5月に私たちの教会に電子パイプオルガンが与えられました。私は高校時代に約三年間パイプオルガンを習っていました。ミッションスクールだったため、毎朝礼拝があり学生がパイプオルガンで奏楽をすることもありました。学校はオルガニストを育成することにとても力を入れており、各学年で鍵盤楽器を習ったことのある若干名が任意でオルガニスト育成プログラムに参加していました。私は、将来何かの役に立つかもしれない、自らのスキルアップのためといった目的ではなく、高校に入って何か新しいことを始めたいと言う単なる興味本位からこの育成プログラムに参加しました。パイプオルガンの基礎から教えていただき、700人程の会衆賛美の奏楽をするという貴重な経験もさせていただきました。私にとっては高校時代の思い出の一つに過ぎず、数年後こうして用いられることになるとは思いもしませんでした。
今年の4月末に、教会の先生から電子パイプオルガンが与えられるかもしれないので挑戦してみませんかといったお話をいただきました。私は高校卒業から四年のブランクがあり、全く自信が無かったため曖昧な返事でその場は終わりました。しかし、業者の方との間で話が急展開し、その話の1週間後には見学に行って先生が即決、あっという間に電子パイプオルガンが教会に届きました。あまりの展開の速さに驚きましたが、与えられたからにはぜひ担わせていただこうと思い、四年ぶりに電子パイプオルガンの練習を始めました。一番の不安は足鍵盤でしたが、意外にも体が覚えており、高校時代のように弾くことが出来るようになりました。そのことよりも、ピアノと合わせて弾くことの難しさに驚きました。パイプオルガン一つで演奏することと、ピアノと合わせて弾くことは全く別物のように感じられ、初心に返って鍛錬しています。電子パイプオルガンが与えられたため、電子ピアノでオルガンの音を出しての演奏がなくなったり、奏楽者の変更に伴い礼拝の前奏がBGMになったりと教会は大きく変化しました。パイプオルガンを習っていたというほんの少しのアドバンテージはありますが、この御用は私1人で担い切れるものではありません。急な変化に驚きながらも変わらない姿勢で立ち続けてくださる姉妹方や新たに奏楽者として共に立ってくださる兄弟の存在に支えられています。
私は今年、環境の変化もあり神様から多くチャレンジを与えられた年でした。その中で、ときに安定を手放し、変化して行く必要があることを語られているように感じています。長い教会の歴史の中で積み上げられた安定があるからこそ変化して行くことができます。主により良いものをおささげしていくために、取り組み続ける者でありたく願います。