同労者

キリスト教—信徒の志す—

JSF&OBの部屋

朽ちない宝

石井 和幸

「ただ、あなたは、ひたすら慎み、用心深くありなさい。あなたが自分の目で見たことを忘れず、一生の間、それらがあなたの心から離れることのないようにしなさい。あなたはそれらを、あなたの子どもや孫たちに知らせなさい。」(申命記 4:9)

 今から17年前、1993年3月のある時、私はキリスト者学生会(KGK)の春期学校に参加していました。会場は新潟県柏崎市の聖ヶ丘バイブルキャンプ場です。このキャンプのために、地元の幾つかの教会から、高校生・大学生がキッチンワーカーとして派遣されていました。・・・今、その時の集合写真を見ると、キッチンワーカーは8人、もともとのキャンプ場スタッフは2人映っています。当時の私にとって、彼らの奉仕する姿は、私が感動し刺激を受けるものでした。 彼らは、仕えるのが楽しくてしょうがない、いや、教会の仲間と一緒にいるだけでワクワクする・・・そのように、輝いていました。 ある夜の集会時、厨房のほうから何やら讃美の歌声が聞こえてきました。そして、高校生が共に祈っている姿も見えました。自ら真剣にです・・・私たちが持っていたグループ集会とは別に、キッチンワーカーだけで集会がもたれ、メッセージを聞き、参加者のために祈る時が持たれていました。 当時私の教会は試練の時にありました。 若い私は、この光景が将来、私の教会にあることを心から願いました。当時のキッチンワーカーは、今でも信仰生活を営み、数人は直接献身して牧師・伝道師になっているそうです。
 先月1日と2日に、私の教会の中学生、高校生で構成されているバンド「EXODUS」が、キリスト教森郷キャンプ場にて合宿を行いました。私もお手伝いとして参加し、とても感謝な時を持つことが出来ました。一日目の夜、EXODUSの練習を、キャンプ場のスタッフがくい入るように見ていました。2年前、同じメンバーにて、同じ場所で合宿をしましたが、その時よりもかなり成長、上達していることに感動を覚えていました。スタッフのKさんは、目を大きく見開いて、体を乗り出して、見たことのない宝を発見したかのように目を輝かせていました。そんなKさんの姿を見て私は、17年前に聖ヶ丘のキャンプ場で自分が抱いた気持ちを思い起こしていました。
 あの日から17年たって、私にはクリスチャンホームが与えられ、教会にはなお新生の恵み、生き生きと教会の中で若い兄姉が喜んで仕え合う、信仰を継承していく姿があります。Kさんは私に言いました。「聖泉教会の若い皆さんの姿を見ると、本当に嬉しくなって、私たちも一生懸命仕えたい!って思っちゃうんですよ」 「この世にあってかけがえのない主にあるクリスチャンホームをお互い築いていきましょう!」 ・・・私はキャンプ場のスタッフと、共に決意を新たにする時が与えられました。
 ・・・17年後、私の娘は18歳になっています。 この「朽ちない宝」を天に蓄えつづけることが出来るかどうか、私が17年前に「これなんだ!」 と感動し、KさんがEXODUSのメンバーを見て感動したように、私の子どもも主の真理を見いだし、感動し、「朽ちない宝」として、この世のものに優る価値をおきつづけ、主を仰ぎつづけることが出来るだろうか。無策のまま、手が滞ったまま5年、10年、15年を過ごしてしまうのではなく、一歩一歩主からの光に照らされ、目標をもって歩むことを示された8月でありました。

(仙台聖泉キリスト教会 会員)

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