同労者

キリスト教—信徒の志す—

読者の広場 <短歌>

— 大震災(4) —

鈴木 健一

 震災も少し落ち着いてくると、被災者の生々しい実感のことばが伝わってきます。その言葉を通して、その極限状況の人の心にどれだけ近づけるかが、外にいるものの課題です。

二階の 対策室まで
水浸し来
机の上に立てば 膝で止まりしと

天井に 迫る水面に
顔つきだし 息つぎ耐えぬ
手はロッカーの上に
しがみつく 屋根ごと 津波が 引きゆきぬ
夕べの波間に
叫ぶ声も嗄るる
(インマヌエル大宮キリスト教会 会員)

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