同労者

キリスト教—信徒の志す—

JSF&OBの部屋

隣人の主観に寄り添う教会

石井 和幸

「イサクは父アブラハムに話しかけて言った。『お父さん。』すると彼は、『何だ。イサク。』と答えた。イサクは尋ねた。『火とたきぎはありますが、全焼のいけにえのための羊は、どこにあるのですか。』アブラハムは答えた。『イサク。神ご自身が全焼のいけにえの羊を備えてくださるのだ。』こうしてふたりはいっしょに歩き続けた。」創世記22:7,8

 6月3日午後、私たちの教会で、教会学校の生徒を中心とした劇団「GEMS」の公演による伝道会がありました。年2回の公演が長く続けられています。回を重ねるごとに演技が上達していく姿が見られますが、今回特に、ステージ、舞台装置等の設営、撤収の速さ、手際の良さが私の印象に残りました。演じる人の練習はもちろん、裏方のスタッフも、何カ月も前から衣装や大道具、小道具、背景等、検討を重ねて準備をしています。当日の段取りも、楽屋での物の配置、着替えの場所等、今までの経験をもとに、スムーズにキャストが演じることができるように検討・準備されていました。
 6月17日午後には、保守バプテスト同盟 いしのみなと教会にて開かれた讃美集会に、私たちの教会から若手のメンバー中心に協力伝道として派遣がありました。いしのみなと教会は、昨年、結婚されて当教会の会員となった玉城春恵姉の母教会です。仙台での礼拝を終えてから、いしのみなと教会へ出発、現地での機材設営、集会、撤収まで、大変スムーズであったことが印象に残っています。
 GEMSによる伝道会やいしのみなと教会での協力伝道を通して、このことを行う原動力、スムーズさの要因は何なのだろう?と思い巡らしました。その中で、この2つの集会に関わる若い兄姉の親御さんたちが、実によく仕えておられた姿がとても印象に残っていることを思いました。
 私たちの教会は、何か事が始まると、途中で止めることをせず、長年続く傾向があります。 GEMSの劇団、野球部の活動、メサイアの活動、バンド活動等・・・教会の諸活動は、役員会でメリットとデメリットが挙げられ、討議されてはじめて決行される・・・というよりは、むしろ志をもった2,3人が、「宣教のために、教会成長のために」等の動機で案を出し、事が始動していくところに、教会の有志が賛同していくパターンがほとんどであると聞いています。物事に対して、隣人の主観に対して、批判を始めるのではなく、まず寄り添って労苦をともにする姿勢が大切にされています。
 私の家庭は、両親と叔母、妹、私と妻、子ども2人の8人家族、3世代の家族です。今、家庭は私の子ども、小さな魂を大切に育むことを中心に動いています。そのように日々家庭が営まれるなかで、私がその流れを断ち切ることがないように、示されています。仕事をして疲れているから、家庭では休みたい、自分の時間を好きなように使いたい、という思いもありますが、子どもとの関わり、家族との関わり、教会との関わりを大切にすることで、隣人の主観によりそう大切さを継承できるようにと願っています。と同時に、教会がひとりの小さな魂が救われるために祈り、そのために宣教、諸活動を行っている事実をとても感謝しています。
 講壇からのメッセージにおいても、「隣人の主観のなかに、神の御旨が示され、神のわざが見出されることがある」と語られています。なお、神の導きを祈り求めながら、隣人とともに生きることに、励んでいきたく思っております。
 「あなたは口のきけない者のために、また、すべての不幸な人の訴えのために、口を開け。 口を開いて、正しくさばき、悩んでいる人や貧しい者の権利を守れ。」箴言31:8,9

(仙台聖泉キリスト教会 会員)

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