同労者

キリスト教—信徒の志す—

JSF&OBの部屋

熱い視線!

石井 和幸

『ただ、あなたは、ひたすら慎み、用心深くありなさい。あなたが自分の目で見たことを忘れず、一生の間、それらがあなたの心から離れることのないようにしなさい。あなたはそれらを、あなたの子どもや孫たちに知らせなさい。』申命記4章9節

 4月15日、私たちの教会は松島町野外活動センターという所に出向き、野外礼拝を行いました。この礼拝では長年、信徒がメッセージを担当しています。昨年から野外礼拝は1回増えて年2回となりました。私は昨年の春に続いて今春もメッセージを担当させていただきました。
 メッセージの予定時間枠は30分。どちらかというと若者をターゲットにした自らの証しを、3つの単元に分けて語り始めました。1つめの単元を語り終えたところで、15分経過。(やっぱり、野外礼拝のメッセージにしてはちょっと長いかなあ・・・お昼のバーベキューを楽しみにしている人も多いし、後半はサクッと終わらせたほうがいいかなあ。準備した証しを全部語る必要もないかなあ・・・)そんなことを思いながら、目の前を見渡していると、大学に入学したばかりのM姉と目が合いました。M姉の眼差し・・・それはとても真剣で、(もっと詳しく教えてほしい)と言わんばかりの視線です。前の席に座っていた若い兄弟方も、真剣な視線を私に送っていました。(やっぱり、準備してきたものを全て、聞いて下さる方々に向かって分かりやすく語らせていただこう!)そう思い直し、予定時間は少しオーバーしてしまいましたが、主によってこの奉仕が守られたことを感謝しました。
 先日、長い間キリスト者学生会(KGK)の東北地区主事として奉仕された成実先生が関西に転任されるとのことで、送別会があり、私は妻と子どもを連れて参加しました。成実先生とは、KGKを通して私も、家内も多くの関わりを持ちました。私たち夫婦がどのように結婚に導かれたか、一部始終を知っている数少ない一人です。送別会にて、お茶を囲みながらの交わりの中で、数人の若い兄姉が、私たち夫婦の結婚の導きについて聞きたいということで、しばらくの間、私と家内でお話させていただきました。成実先生も、私たちの導きについてご自分の観点からお話して下さいました。話を聞く若い兄姉方の表情は真剣そのものです。これらの集会で目にした若い方々の熱い視線、教会の諸活動で見ることができる真剣なまなざしが、4月は特に私の心に残りました。
 さて、私の娘は4月から幼稚園に入園しました。私が幼稚園の様子を娘に聞くと、「今日、お友達はこんなことした、私はあんなことした・・・」と詳しく話をしてくれます。先生にほめられたこと、自分が嬉しい思い、逆に悲しい思いをしたことも、3歳なりのことばで伝えてくれます。そんな日常を振り返りつつ、こうして、4月を終えようとするときに、私は家族や、共に生きている人たちに証しをたてることが出来ているだろうか? と示しを受けています。
 いくら、教会やその他のところで証しをしても、自分の妻や子どもが「お父さんはそんな言うほど大したことない。」と思えば、それは真実ではありません。教会の先生や兄姉、自分と歩みを共にした人が、「石井さんの語っていることは、違っています。そんなことではありません。」ということになれば、それは自分の歩みを正しく受けとめておらず、神からのメッセージを正しく捉えていないことになってしまいます。「主に仕えることは家庭に仕えることである」と、講壇からもメッセージされています。それは自分にとって容易いことではなく、チャレンジしなければならない大切な課題であります。
 子どもたちが熱い視線をもって親である自分たちを見続けることが出来るか、そして、親の信仰を継承することを望むことが出来るか。親としての自分自身も、その姿勢が問われるところです。「神からのメッセージに生きる」ことが自分たちにとって何であるか、捉えたメッセージに本気になって取り組むことができるか。小さき者ではありますが、この神から与えられた課題に、祈りつつ真摯に励みたいと思っております。

(仙台聖泉キリスト教会 会員)

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