読者の広場 <短歌>
— 大震災(7) —
鈴木 健一
月日がたっても、変えられない気持ちと、次第に変わっていく気持ちがあります。人や立場によっての違いもあります。どちらが正しいのでもなく、どちらも人としてありうることだと思うのです。それをそのまま温かく見守るのも、人としてのあるべき姿です。時としては自分としてはどうしようもないと、思うこともあります。単純な主義主張では、人生は切れません。人生の折節で、神さまを思うのもそのような時です。年をとって、そんな風に思うようになりました。
三月経つも 瓦礫の浜に 息子(こ)を捜す 夫婦切なし 眼差しの似る |
三月経てば 父を捜すを 止めるとふ 中年の婦人 海を見やりて |
累々たる がれきの街の 映像に いた堪らぬも 為すすべのなき |
(インマヌエル大宮キリスト教会 会員)