読者の広場 <短歌>
— 大震災(6) —
鈴木 健一
直接被災された方々は別として、しばらく過ぎると、緊急の心身の気構えがしだいに解かれ、日常が甦ってきます。心も核のところでは震災を重いものとして受け止めてはいるのですが、普通の感情が活発に働き始めるわけです。そのような心も動きも短歌の種になります。
桜過ぎ青草原に 鉄路錆ぶ 相馬の金丸 無事とは聞けど |
東北新幹線が 通じたり 確かなレールの 音聞こえる |
怯(おび)え竦(すく)みし 余震間遠く なりたれば 落ちし富士の絵 そろそろ戻さむ |
(インマヌエル大宮キリスト教会 会員)