同労者

キリスト教—信徒の志す—

ショートコラムねだ

— 宇宙の年齢を考える —

 夏の夜、たまには星を見ようとおもっても、都会に住むようになったら、田舎にいたときのように星を見ることができなくなった。だいたい天の川さえ見えない。天の川は一つの銀河で、我々の地球を率いる太陽がそのなかにある。天文学者達のいうに・・それも諸説ありまちまちだが・・まあ、ひとつの銀河には平均約2000億個の恒星があり、宇宙には銀河が2000億個もあるそうである。アブラハムは神に「星を数えてごらん」と言われたが、星を1秒に1個数えて2000億個を数え終えるのには528年半かかる。
 それはさておき、2011年のノーベル物理学賞は「遠方の超新星爆発の観測による宇宙の加速膨張の発見」というテーマであった。受賞者は・・だれでもいいから省略。いままでに銀河は互いに離れていく方向に・・つまり宇宙にちらばっている銀河は、 重力によって近寄ってくるのではなく、逆に広がっていく・・ことは分かっていたが、この論文の意味は、銀河が離れる速度が速くなるということである。
 加速するためには、外部からエネルギーを加えることが必要なのである。だからそのエネルギーはどこからくるのか?とまた別の議論が始まり、その答えとして、宇宙の座標軸が拡大するのであるという説が登場した。宇宙の座標軸が拡大するとは、ふたつの銀河が1光年の距離に存在しているとしよう。座標軸が2倍、3倍、・・と拡大するにつれて、その二つの銀河の間の距離が2光年、3光年・・と広がるということである。
 この宇宙の座標軸の拡大という仮説は、大変興味深い内容を含んでいる。もし、1光年先に見えていた銀河が、座標の拡大によって、2光年の距離になったら、とたんにその銀河は見えなくなり、1年後に見えるということになる。 ところが銀河は空間のスケールが伸びているというのにいつまでも見えている。そのためにはその銀河の位置している空間の時間が過去に進まなければならないのである。
 この考えが示しているのは、「137億光年離れた距離にある銀河は、宇宙の座標軸が137億光年拡大したものであって、その銀河の位置する空間は座標軸の拡大と同時に時間が137億年過去に進んだと考えることができる」ということである。空間スケールが変わるなら時間スケールも変わって不思議はない。
 これは何を意味するか?
宇宙を調べると、137億光年先の星が見えるから、宇宙の年齢は137億年であるという推定が覆る。137億光年先の銀河も、過去の光が見えているのではなく、地球と同じ時間に発した・・<今>発した・・光が見えている。それは地球と同じ時間に存在している・・・宇宙の年齢は地球と同じ・・・と。