同労者

キリスト教—信徒の志す—

巻頭言

— 信仰の光を照らす者に —

石井 矗

「奴隷たちよ。すべてのことについて、地上の主人に従いなさい。人のごきげんとりのような、うわべだけの仕え方でなく、主を恐れかしこみつつ、真心から従いなさい。何をするにも、人に対してではなく、主に対してするように、心からしなさい。」 コロサイ人への手紙 3章22、23節

 この聖句は、私が救われたときに示された所です。救われる前の私は、人間関係に悩み、常に他人の顔色を伺いながら、他人に少しでも良く見てもらいたいと思い、自分を偽り、へつらい、対人恐怖症とも言えるような者でした。しかしそこで、自分を良く見せようとする高慢で我がままな姿が罪であることを知りました。その罪が自分自身を拘束していたこともわかりました。そして、罪を悔い改め、救いの恵みにあずかりました。
 救われて大きな平安と喜びをいただき、課題であった人間関係に取り組み、勝利することができました。今なお、自分自身の中で、人間関係は大きな課題であり続けていますが、信仰者として勝利し続けていく者でありたいと思いながら、長い間、信仰者として教会生活、家庭生活、社会生活を続けて参りました。その中では、積極的に前進していかなければならないことも多くあり、また同時に、足をとどめ忍耐しなければならない事も多くありました。
 私はどちらかというと、後者の、忍耐し慎重に一歩一歩事を進めていく者であり、積極的に前進することは不得手としていました。しかし、教会を通して自分を振り返る時に、不得手なところを補ってくれる者が周囲に与えられてきたことを覚えます。神は私にもそのように備えてくださいました。このような私ではありますが、これからの人生、信仰という灯火をもって、今いる場所でその光を照らすことのできる者にならせていただけたらと願っています。
 先日の祈祷会では、次の聖句が示されました。
「わたしは、あなたの行いを知っている。あなたは、冷たくもなく、熱くもない。わたしはむしろ、あなたが冷たいか、熱いかであってほしい。(ヨハネの黙示録 3章15節)」
今まで、熱い思いではなく、淡々と事を行うことが多かった私ですが、残された人生、私に与えられた役割を大いに喜びを持って果たしていきたいと思っております。

(仙台聖泉キリスト教会 会員)