同労者

キリスト教—信徒の志す—

巻頭言

— 命がけでつなぐ信仰 —

石井 ミワ

 先日、娘の幼稚園の友達が数人、我が家へ遊びに来ました。みんなでクッキーを作って食べたのですが、焼き上がって食べる際、みんなが手をのばしかけたとき、娘が「みんな、まだたべちゃダメだよ!お祈りしてからね!」と言って、待ったをかけました。幼稚園の友達はみなノンクリスチャンですから、不思議そうな顔をしていましたが、私が「うちでは、食べる前にお祈りするのがルールなんだ。みんな、手を組んでね。」と言うと、みんながお祈りの姿勢をしてくれて、お祈りしてから食べることができました。娘のなかに、ルールとして"食べる前のお祈り"があることがわかり、嬉しく思った出来事でありました。
 日曜日には、教会の若い方々の劇団Gemsの公演がありました。イエス・キリストのご生涯を数回に分けて演じている劇です。そのなかに4歳の娘も加えていただいていることを本当に感謝しています。実は娘はついこの間まで、泣いて出られなかったり、大きい声で話すことが難しかったりしていました。しかし、今回は大きい声で、ちゃんと演技もして参加していました。これは、共演してくださった兄弟と、監督の姉妹、そして幼稚科の先生が豊かに関わってくださったおかげです。共演の兄弟は、練習がうまくできると、娘が本当に喜ぶことを考えて実行してくださいました。練習で台詞が出なかった時は監督の姉妹がつきあって練習してくださったことも聞きました。本番前に幼稚科の先生をしている姉妹が娘に「練習中こういうことをしていたけれど、本番ではしないように注意するんだよ。」と声をかけてくださっていました。
 まだ4歳の娘ですが、教会で本当に愛していただいていること、そのなかで「一緒に生きる」という営みをさせていただいていることが、本当に幸いなことだと思います。前述した娘のお祈りや劇のことは、教会でそうするようにと教えていただき、家庭でも実践していく中で少しずつ芽生えてきたことです。この芽を積んでしまうことのないように、私たちも心を尽くして教えて行く大切さを思います。
 先月行われた聖書研究会で、ヨハネの福音書13章から学ぶ機会がありました。その中で、イエス・キリストは、これからひとりで出て行かなければならない弟子たちの足をひとりずつ洗うことで、自ら模範を示されたことを学びました。イエス・キリストご自身が、いちばん低い者のように謙って、命がけで神のみこころを行うことを伝えたのだということがわかりました。私たち夫婦は月に一度、家庭集会を持っていただいています。先生方は一つ一つ細かいところから私たちを見ていてくださっておられ、本当に命がけで信仰を継承することを教えて下さっています。まだ4歳の娘が、教会のなかで、このように生かされているのも、教会の兄弟姉妹が豊かに子どもたちと関わろうとしてくださっているからだということを覚えます。私自身が、先生方や兄弟姉妹の心に、謙って応えていける者であるように、また母として、命がけで子供たちと関わっていけるようにと願わされています。

「わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするように、わたしはあなたがたに模範を示したのです。まことに、まことに、あなたがたに告げます。しもべはその主人にまさらず、遣わされた者は遣わした者にまさるものではありません。あなたがたがこれらのことを知っているのなら、それを行うときに、あなたがたは祝福されるのです。」(ヨハネの福音書13章15〜17節)

(仙台聖泉キリスト教会 会員)

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