同労者

キリスト教—信徒の志す—

JSF&OBの部屋

~ 主がともにいます新たな道 ~

石井 和幸

「神のなさることは、すべて時にかなって美しい。神はまた、人の心に永遠への思いを与えられた。しかし、人は、神が行われるみわざを、初めから終わりまで見きわめることができない」
(伝道者の書 3:11)

 4月5日(火) 朝4時20分頃、私たちの教会前に、山本守兄を見送るために有志が集いました。守兄は、その日東京聖書学院に入寮するために、親である山本嘉納牧師・盡子婦人伝道師、妹である更姉とともに出発しようとしていました。翌日は入学式であり、守兄は修養生としての聖書学院での学び、生活が始まろうとしていました。
「兄弟は私たちの教会を離れます。しかし、神ご自身が必ず兄弟とともにあり、行く先々で大いなる祝福、恵みを備えてくださることを私たちは確信します。御力を信じ、讃美します。」集った有志は心を合わせて祈り、守兄を笑顔で送りました。自ら進んで朝早く起きた我が家の長女も、家内とともに作ったクッキーを守兄に渡しました。娘にとっても、思い出に残るひとときだったでしょう。なぜなら30年前、小学生だった私も、アメリカの神学校へ発つ彼の両親を朝早く見送ったことがあり、それが今でも心に残る思い出となっているからです。 
 4月になり、私たちの家庭にも新しい歩みが始まりました。長男は幼稚園の年中に進級し、「僕はもうはと組(年中クラス)になったから〇〇しない!」「はと組になったから〇〇は自分でできる!」といった発言をし、お兄さんになった自覚を持って行動することをし始めています。
 私たち夫婦においても、一つの転機が訪れました。私が勤める会社にて、私のアシスタントをしている従業員が、ご主人の転勤で仙台を離れることになり、5月末で退職したい・・・という申し出をしてきました。突然の出来事でありましたが、私は社長と山本牧師に連絡を入れ、後任を探すためハローワークに足を運びました。そのとき、後任アシスタントの候補に私は家内を第一候補に挙げていませんでした。家内は私のアシスタントをするのに適任ではあリますが、私の個人的な思いは、私が勤務する石井商工の工場・営業部ではなく、私たちが住んでいる一番町・本社を拠点にずっと仕えてほしい・・・というものでありました。私の職場に家内を巻き込みたくない・・・という思いもありました。翌日、私は山本牧師から、「アシスタントの後任として、奥さんを職場に入れたらどうですか?」とお勧めをいただきました。「あなたの思いは分かっています。ただ、奥さんが将来本社を拠点に仕えることになるとしても、実際にあなたのそばで、事業においても働きをともにして、同じ現場を見ないことには、パートナーとして事業について展望したり、夫婦が協力して建てあげていくことが困難でしょう・・・子どもたちの成長、ここ数年の導きを見ても、今、(職場をともにする)その時を神から与えられているのではないですか?」と先生は理由を示してくださいました。そして、次の週に我が家で開かれた家庭集会にて、「今まで通り、牧会者や隣人に対してオープンな体制を継続すること、夫婦で勤務することによって生じる生活の変化、子どもたちの反応、出てくる結果に対して検証し、牧会者とともに都度・調整、是正をしていくこと」を確認しました。そうすることによって、私が抱いた「家内を職場に巻き込みたくない」といった懸念が取り除かれ、建設的な方向へ自らの姿勢が変えられていくことを教えていただきました。家内もそのことを決意し、謙遜に会社にて業務の引き継ぎに携わっています。
 いよいよ、職場においても夫婦で日々人に仕えていく、そういう試練の中に歩ませていただく時が来ています。と同時に、今までは「日中、家のことは妻に任せた!」としていた気持ちを切り替えて、私も妻の助けとなり、夫婦で仕え合う必要が今まで以上に示されています。主が私たちの家庭に託そうとしておられるご計画のための営み、訓練であること、導きの意義を忘れないようにしていこうと思わされます。
 最近日曜日になると、山本守修養生からの報告が、教会の掲示板に貼り出されます。土曜・日曜に派遣されている奉仕教会で、多くの方々に愛され、用いられ、主が確かに恵みと時にかなった導きを備えてくださっていることを知ることができ、大変感謝を覚えます。
 私たち夫婦も欠けの多い土の器でありますが、主の愛が溢れ輝くような者として、子どもたちとともに喜んで主からのチャレンジを受けるものでありたく思っております。

(仙台聖泉キリスト教会 会員)