同労者

キリスト教—信徒の志す—

JSF&OBの部屋

~ 娘と大阪~同労者に支えられて ~

石井 和幸

「それぞれが賜物を受けているのですから、神のさまざまな恵みの良い管理者として、その賜物を用いて、互いに仕え合いなさい。語る人があれば、神のことばにふさわしく語り、奉仕する人があれば、神が豊かに備えてくださる力によって、それにふさわしく奉仕しなさい。それは、すべてのことにおいて、イエス・キリストを通して神があがめられるためです。栄光と支配が世々限りなくキリストにありますように。アーメン。」
( Iペテロ 4:10 11) 

 10月第1日曜日の午後、教会運動会でとても楽しい思いをした帰り際、私は牧師にこう言いました。「11月に大阪で、KGKの卒業生会議があるのですが、東北から行ける人がいなくて、私が行くのですが、もう私ひとりだけの出張は嫌になりました。でも、(息子の)謙悟をつれていくにはまだ小さいし・・・」すると山本牧師は、「真実さんでもいいじゃないか!是非一緒にいくといいですよ!」と明るく答えてくださいました。(真実か・・・5才のとき、東京に連れていったときは次の日熱を出したし、怖がりだから飛行機を嫌がらないかな・・・)と思いつつ、長女に話をすると、長女は「飛行機に乗りたい!真実はまだ一回も飛行機に乗ったことないもん!」 と喜んでくれました。
 帰宅してから、私が「大阪といえば大阪城・通天閣・グリコサイン・・・」と言ったのをよそに、家内は「真実を連れていくならUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)しかないでしょ!」といって、誕生日チケットをネット予約、アプリのダウンロードを始めました。普段私が自分の好きなことにお金を使おうとすると厳しいのに、今回は家内の決断が早かったことに私は驚きました。私自身、(本当は行きたくない)と思っていた会議出席が、娘を連れていくことに決めたことで全然違う意気込みになっていきました。
 当日、会議会場の新大阪まで、娘はずっと私のキャリーバックを引っ張ってくれました。そして、帰るときまで、おじいさんから借りた、落としても壊れないデジカメを首にかけて、「おばあちゃんにみせる写真」を随時撮っていました。怖がるかと思った飛行機には逆に大喜びで、行きの飛行機を降りたところで早くも「早く(帰りの飛行機に乗れる)明日にならないかな!」と言いました。私たちが会議の席に着くと、娘が絵を描こうとしているのを見計らって、隣に座った姉妹が色付きのペンを数本貸してくださいました。この姉妹と娘は、今回大阪でいちばん仲良くなりました。午後からの会議を失礼して娘と二人でこっそりUSJに行くつもりだったのですが、KGKの総主事に、「石井さん、真実ちゃん、おもいっきり楽しんできてください!」と大きな声で言われてしまい、結局皆から温かく送り出されてUSJに向かいました。
 USJに入って、私には誤算が3つありました。1つは自分の予想よりもとても混んでいたこと(体感で数十倍)、2つ目は「よやくのり」の方法をちゃんと理解していなかったこと、3つ目はガイドブックを邪魔になるからとロッカーにしまってしまい、アトラクションの場所を探し回って時間と体力を浪費してしまったことでした。「おとうさん、ちがう、(私が行きたいのは)こっち!」と何度も娘に言われ、(このまま何も出来ずに終わったら父親への信頼もなにもなくなってしまう・・・)と思うと冷や汗が止まらず、スタッフに教えてもらいながら娘と楽しむために頭のなかをグルグルさせ、なんとか真実が満足できるアトラクションにたどり着き、いくつかのアトラクションを楽しんでくることができました。夕方までという時間制限はありましたが、娘にとってはちょうど良い時間であったようで、その日はぐっすり休んで、次の日の会議にもきちんと参加することができました。
 会議の閉会礼拝を終えると、「ここからは私の時間!」とばかりに、今まで気を使っていた娘が他の人と積極的に話をし始めました。その会話の内容・・・家族の様子、教会であんな人たちがいてこんな活動をしている、我が家一階のサテライト・ノアでの集会、パトナシアタ―でのコンサート・・・はばからず、楽しそうに紹介していました。相手をしてくださった兄弟姉妹も、娘の話をよく聞いてくださいました。会議の会場からKGKの梅田事務所まで、娘と手を繋ぎ歩いてくださった姉妹、その後のたこ焼きパーティーでずっと娘に寄り添ってくださった姉妹がいました。娘のカメラを貸して!と意思表示をした小さな子もいました。
 仙台の教会でも、同じように娘と手を繋いで、話を聞いてともに歩んでくださる教会学校の先生がいます。子どもたちを心から愛してくださる先生、兄弟姉妹がたくさんいらっしゃいます。最近人見知りする娘ですが、会議が終わるのと同時に、大阪に集った同労者に仙台の教会と似た空気を感じ、心を開いて包み隠さず交わりをしたのだと実感しました。
 仙台の自宅に戻ると、娘は、「生まれて初めて飛行機に乗ったこと」 「たった二日間なのにお姉さんたちといっぱい仲良くなれたこと」 この2つを大阪に行った大きな思い出として挙げました。私は、閉会礼拝で開かれた冒頭のみことばをもう一度娘と振り返りつつ、大阪に行った一連のことは、神が与えてくださったプレゼントだったこと、仙台と同じように、大阪にもあなたと仲良くしてくれる信仰者を神が備えてくださったことを忘れないようにと娘に伝えました。娘は、「お父さん、私は神様が与えてくださったものをはなさないように、教会にみんなといつづけるようにするよ!」と私に答えました。今回、特別に子どもと関わるときを神が与えてくださり、それを実現するために留守を守ってくださった方々に感謝いたしました。冷や汗をかきながら自分の至らなさを痛感したときでもありましたが、子どもが見るもの、子どもに根付くものが主の御旨にかなったものであるように、なお祈りつつ励んでいきたいと思っております。

大阪にて 大阪にて大阪にて

(仙台聖泉キリスト教会 会員)