同労者

キリスト教—信徒の志す—

わかふうふ、わかもん、いっしょに学ぼっ!

— 祈りの力 —

茂永 進

「主よ。私をあわれんでください。
 私は一日中あなたに呼ばわっていますから。
あなたのしもべのたましいを喜ばせてください。
 主よ。私のたましいはあなたを仰いでいますから。」
(詩篇86:3-4)

 今年1月より、私は独立して「株式会社オフィスサポートカナン」という会社を始めました。長年、事務職として勤めてきた経験と会計事務所で培った税務会計の知識を生かした仕事です。取引先数社を確保して開始し、何とか会社の収支も赤字にならないようにと損害保険と生命保険の代理店の仕事も加えました。しかし、私が当初思っていたようには契約が伸びず、新たな顧客開拓を模索する日々が続きました。私は、会社の事務所に朝出社する際には、仕事を始める前に事務所のソファーの前にひざをついて、祈ってから仕事を始めていますが、祈り続ける中で、嘉納牧師とお話しするときが与えられ、「50歳になるまでに自分を試してみたらどうですか」とのお勧めを頂きました。そして、私が最初に勤めた会社に営業する機会が導かれました。その会社は300人の従業員を抱え、多くの資産を保有する潤沢な経営をする会社です。思い切って大口の損害保険の見積もりをさせて頂くことを提案し、私が在籍していた当時に上司だった方に口添えをして頂き、何とか承諾を得ることが出来ました。その後、幾度となく、保険会社の担当者や上席の方に同行してもらい、先方へ訪問し、見積金額も決して引けを取らない保険料を下げた内容で臨みましたが、既存の保険会社が選ばれました。
 私の事を良くご存じの方は、私が営業向きではない者であることが分かります。私は本当に自分が不得意とすることに、自らの精一杯の力を注ぎました。私は、本当に落ち込みました。
 この先、どの様に新しい仕事を確保していったら良いのか悩み、祈りました。そして、聖書日課のこの冒頭の御言葉が私の心にとまり、毎日「主よ。どうぞ、私をあわれんでください」と切実な祈りを続けました。そして12月に入り、先方の会社から連絡があり、「今回の見積を頂いたことで、既存の保険会社から当初の見積よりも保険料が安くなり好条件で入ることが出来ました。その代わりに、役員の生命保険に入らせてもらいます」との回答でした。私は驚きと共に私の切なる祈りが聞かれたのだと確信しました。早速、申し込みの手続きを進めてやり取りをしていく中で、当初1名分の申込から更に1名追加して頂き、2名分の大きな金額の契約をして頂くことが出来ました。本当に飛び上がって感謝の気持ちを神の前に叫びたいくらいの思いでした。
 「神ってる」という非日常的な力を持てた人を指す言葉が流行語になったこの年ですが、クリスチャンとして神の前に真摯に祈り求める者ならばこのような事は日常的に与えられるものなのだと実感します。
 私は今回の事を通し、大きな驚きと共に神に対する祈りの力を切実に感じ、本当に神の前に遜って、与えられた会社を経営していかなければならないことを示されました。これから先も多くのリスクを抱えつつの歩みですが、なお、祈りつつ取り組んでいきます。

(仙台聖泉キリスト教会 会員)