同労者

キリスト教—信徒の志す—

巻頭言

— 夏期伝道に派遣されて —

mamoru-san

山本 守



「私は悪者の横暴を見た。 彼は、おい茂る野生の木のようにはびこっていた。」(詩篇 37:5)

 神学校に入って2回目の夏期伝道が終わり、もう一度学びと訓練に戻ることを許されたことを主に感謝します。
 今年の夏は母教会に仕えることを許され、仙台の地でひと夏を過ごすことができました。派遣される前に、自分が神学生として派遣されたものとしての自覚を持って母教会に戻り、教会と人に、そして神様に使えることをはじめの日曜日に告白して1ヶ月半の夏期伝道を始めさせていただきました。恒例の報告・質問会も守られて私も質問に答えながら自分の学んで来たこと、働きを振り返り多くのことを共有することができ感謝しました。
 そして私も楽しみにしていた昨年から教会の行事として始められた教会キャンプにも参加することができました。私も1つの集会を担当することが許され、ずっと願っていた証しの集会を持つことができました。この証しの重要性は、神学校に入ってはじめに私が大きく気付かされたことでありました。私たちは主の証し人として立っていく中で、どう主を証していくのか。私たちの教会は日常生活の中に真の信仰生活を行うことで主を証ししていくという重要な部分をここまで守られ、それを行なって来ました。私はもう一側面である、今の自分がどうしてあるのかの告白、悔い改めと赦し、キリストとの真の出会い。これらを真実に証ししていくことこそ、主の証し人としてキリストの弟子としての使命であると知らされました。このことを念頭に置き、集会では多くの愛する兄弟姉妹が自分の救いの証しを真実に明確に証ししてくださり、共に主の大いなる業と愛をもう一度知らされた、恵みの時となりました。よき集会が守られたことを感謝します。
 そして信者さんの家に招かれて、共に食事をし、短くメッセージを語ることを許されました。それまでは、教会の家族のような存在として私も関わって来ましたが、家に招かれることが決まった時、私は神学生としてどのようなメッセージを語らなくてはならないか、また御言葉を語らなくてはならないかと考え祈りました。そこには感情的や私的な感覚ではない、今その愛する信徒さんに必要なものは何かと深く考え知らなくてはならない、そのように私は思わされました。父は私に牧会で重要なことは観察であると言いました。そしてこれは言うほどたやすくない、簡単に思えて難しいと語りました。そこには相手への愛や想いという感情的な面も重要であるが、冷静に、客観的に相手を見て何を必要としているか、願っているかを分析し、どうそこに導いていくかをいつも祈り願わなくてはならないと教えてくれました。母教会にあって、このことを意識して関わっていくことは難しいことではありましたが、よき成長の場として神様が備えてくださっていたことを本当に感謝いたしました。
 またこの夏も自分の召しについて考える時となりました。愛する先生からのアドバイスをいただき、そのことも含めて残りの2週間は様々なことを思い巡らしていました。最終的に答えを見出せないまま、夏期伝道最後の日曜日になり、午後の集会の時はまとまらない証しではありましたが、自分の思いを語らせていただきました。
 「私は神様の導きを信じます。皆さん。信じて祈っていて下さい。」
 そう証しして私の夏期伝道期間は終わりました。
  帰ってすぐに神学校では、報告会としてリトリートというものがもたれました。そこで神学生同士で祈ったり、先生たちに祈っていただいたりと多くの交わりの時が持てました。その中で私もある先生とお話しする機会が与えられ、自分の召しとこれからの歩みについて相談しました。先生は私の話を聞いてくださり、そしてこうアドバイスして下さいました。
 「多くの選択肢があるというのは幸いなことです。なぜならば、それだけ導きがあり、どこに向かってもいいように自分を磨くことができるからです。あなたが今しなくてはいけないことは、どこに導かれても神の器となることができるように、自分を磨くことです。そして、神様がいけと言われた言葉に従うことの出来る心を養うことです。」
 この言葉をいただき、先生は私のために祈って下さいました。そのあと先生は聖会のメッセージでヨセフがエジプトに売られるお話をした時は一瞬苦笑しましたが、幸いなるメッセージでありました。
  今もう一度学びと訓練の中にあって私は、1日1日を精一杯生きていけるように努力しています。神様の器となるために私には磨かなくてはいけない部分が多くあります。私は神様に道をお任せし、備えていただきます。そしてその道を歩みながら、私は自分の備えをし、神様の器となることができるように日々歩んでいきたいと願います。
主が私を守って下さることを信じ、願います。


(仙台聖泉キリスト教会会員 神学生)