同労者

キリスト教—信徒の志す—

JSF&OBの部屋

信仰とは、未来への確信

石井 和幸

「信仰は望んでいる事がらを保証し、目に見えないものを確信させるものです。」(ヘブル 11:1)

 世界では不況が相変わらず続いています。日本においても、見切りをつけて廃業したり、倒産してしまったりする企業も増えています。先を見据え、現状を冷静に判断し、被害が拡大しないうちに店じまいする策も賢明なことだと思います。
私が勤めている会社は、先月号でも述べましたが、現有する人材の育成に力を注いでいます。私も、新しい分野、新しい顧客へのアタックを日々課せられています。「どうせ、この不況だから無理だろう」と何もジタバタせずに見切りをつけるのはまだまだ早い・・・という会社の判断です。ですから私も純粋に、そしてポジティブに営業することを心がけ、励んでいます。
冒頭の聖句は私にとって、子どもの頃から覚えた聖句ですが、その意味をようやく吟味できるようになったかな・・・と感じています。
私の娘は6月で生後8ヶ月を迎えます。神の豊かな恵みのうちに、また多くのお祈りに支えられてここまで元気に守られていることを大変感謝しております。4月になってからだったと思いますが、娘が逆上したように「きぃ〜」と金切り声をあげて泣く場面が出て、日に日に増えてきました。 当初は何か体の具合が悪いのか・・・と調べましたが、そのような事実もないことがだんだん分かってきました。・・・私も子どもの頃はよく必要以上に、怒るように泣いて、自分の感情をわざと極端にさせる場面がありました。(もしそうだとしたらちゃんと叱らなければ・・・でも、まだ6ヶ月だし手を出して良いのだろうか?)と迷っているところに、牧師先生ご夫妻から「親を敬うことを今から教えるためにも、効果のある叩き方をして、叱るように」とお勧めをいただきました。このことに関して家内は娘を叩いて叱ることにかなりためらいを覚えました。「育児書にはそのうちまともになる・・・と書いてあるよ?」と家内は私に言いましたが、私は「だから何?」と言い返しました。神を崇めるために、私たちは子どもを育てる。このことの大切さを確認しました。
牧師先生は、常に「どうだい? きぃ〜ってどれくらい泣いてますか?」と私に声をかけてくださいました。婦人伝道師の先生も、家内とゆっくり話す時をもってくださり、また常にアドバイスをくださって、労苦と歩みを共にしてくださっています。
「娘を叩いて叱る」という決断をすること、それを実行すること。それは信仰によって行うことを示されました。
私が就職先を決めた時、結婚に至る決断・・・事の違いはありますが、「神の導き」と確信し、信仰をもってその場面を乗り越えたことに変わりはありません。
私が娘をおもいきり叩くと、大声で泣き続けます。そして私の顔を伺い、恐れます。私は顔色を変えずにらみ、なぜ叱られたか理由を言います。ことばの意味は分からないでしょう。でも私の声色で何かを感じ取るようです。
・・・そしてベットに娘を置くか、家内に託します。落ち着いたら、もういちど娘と顔を合わせます。すると、娘は涙目ですがニコリと笑顔で、私に近寄ってきます。 この瞬間、私は本当に感謝をおぼえます。これから先も、神の是正を受け入れ、素直に神のもとに立ち返る子どもになって欲しいと願うからです。
「イエスはこれを聞いて、その人に言われた。『あなたには、まだ一つだけ欠けたものがあります。あなたの持ち物を全部売り払い、貧しい人々に分けてやりなさい。そうすれば、あなたは天に宝を積むことになります。そのうえで、わたしについて来なさい。』 すると彼は、これを聞いて、非常に悲しんだ。たいへんな金持ちだったからである。」(ルカ18:22-23)
「目に見えないものを確信させる」信仰とは? 福音書に登場するこの青年は、イエス・キリストから示された信仰の課題を受け入れることが出来ませんでした。 ヘブル人への手紙では、信仰によって実を結ぶ人たちの姿が列挙され、「こういうわけで、このように多くの証人たちが、雲のように私たちを取り巻いているのですから、私たちも、いっさいの重荷とまつわりつく罪とを捨てて、私たちの前に置かれている競走を忍耐をもって走り続けようではありませんか。」(ヘブル12:1)と勧めています。私もいつのまにか、やり易く得意な信仰の課題のみ取り組み、困難をおぼえる課題に直面すると、「私はこの程度でいい」・・・と開き直ってしまう傾向があります。また子どもに対しても、注意すべき部分を安易に考えていたりと、常に反省と是正が必要であり、またこれから取り組むべき課題も多くあります。 信仰に生きるとは自分にとって、私たちの家庭にとってどういう事なのかを問いかけつつ、歩みたく思っております。

「神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。」(Ⅰコリント10:13)


(仙台聖泉キリスト教会 会員)

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