同労者

キリスト教—信徒の志す—

JSF&OBの部屋

世代の繋ぎ目

石井 和幸

「その人はただ、会見の天幕で、自分の同族の者が任務を果たすのを助けることはできるが、自分で奉仕をしてはならない。あなたは、レビ人に、彼らの任務に関して、このようにしなければならない。」(民数記 8:26)
「しかし、神は、さらに豊かな恵みを与えてくださいます。ですから、こう言われています。『神は、高ぶる者を退け、へりくだる者に恵みをお授けになる。』」(ヤコブ 4:6)

 私はある超教派団体の役員をしています。私が関わるようになってから4年経ちますが、その数年前から、役員の世代交代が始まりました。今の会長は私よりも3歳下の32歳で、8年位前に交代した前の会長は私よりも6歳年上です。両者は2年ほど共に奉仕をしましたが、今の会長が就任した際、ほとんどの役員が若手と入れ替えになりました。就任したばかりの主事と、若手中心の役員会は大変苦労をしました。 その原因は、仕事を引き継ぐ側、引き継がれる側双方が何を継承すべきかをはっきり捉えず、古参のスタッフと新しいスタッフとのギャップが埋まらないままに世代を代えてしまったところにありました。
 昨年、私たちの教会の若いメンバーが、他教会の集会に招かれて奉仕したり、超教派の集会で奉仕する機会がありました。その出来事を通して、主にある幸いな交わりが与えられ、また刺激を受けてきました。同時に、自分の教会では見慣れない部分も多くありました。ある若い兄弟は、共に他教会への奉仕に参加した私に、恵みを覚えつつもどう捉えたら良いのか、率直に相談をしてきました。私は、結婚が与えられるまでに様々な教会に出向いた経験、また超教派団体での経験を踏まえて、他教会の背景、構成、見習うべきところ、逆に真似しない方が良いと思うところ、交わりの際の注意点等を、アドバイスしました。そのように、教会の若いメンバーと共に奉仕して、共に考える機会が昨年、数回与えられました。
 教会には、小さな子どもからお年寄りまで、幅広い年齢層の信徒が集います。私のような30代は、世間一般では働き盛り。家庭の生計を立てるために必死に働き、ともすれば主日礼拝も満足に守れない状況も生じます。教会のことはおじいさん、おばあさん世代と、学生に任せているような、そのような教会も多々あるようです。けれども、ひとりの若い魂の信仰が健全に成長していくためには、そのすぐ上の世代の働きが重要なのです。私自身もすぐ上の世代の方々との豊かな交わりが与えられ、またその世代が営むクリスチャンホームを目標にしながら、ここまで信仰生活が守られたことを大変感謝しています。そして、やがて自らの子どもも教会の若い世代にお世話になるのです。(実はもう今から十二分に愛していただいています。)
 古参の信徒と新しい信徒とのギャップを埋め、信仰、真理を継承していく取り組み、役割は教会に不可欠です。30代である私たち夫婦は、主の前にみこころを求めつつ、牧会者と共に歩み、許される限り、教会の器官として仕えることができるように、新しい年も歩みたく願っております。

(仙台聖泉キリスト教会 会員)

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