同労者

キリスト教—信徒の志す—

聖書研究

— 万人祭司・万人予言者・万人王(第75回) —

野澤 睦雄

・・クリスチャンはみな預言者である。みな祭司である。また王である。キリストにあって、神は私たちを一体とし、そして王位に着けられた。
・・ C.E.ジェファソン(「教会の建設」から引用)

3. 新約における三つの職務の考察(つづき)
3.2 新約の預言者(つづき)

 旧約の時代、預言者はたくさんおりました。神のことばは彼らによって数多く語られたに違いありません。その中のほんの一部が書き残され、編纂されて旧約聖書となりました。先に指摘し聖書箇所を拾い上げましたとおり、新約の時代でも聖書が完成するまでは、預言者と呼ばれた人々がいて、彼らの語ったことば、書いた文書が残されて、その中から編纂されて新約聖書ができました。繰り返しになりますが、もう一度数例挙げておきましょう

「さて、アンテオケには、そこにある教会に、バルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、クレネ人ルキオ、国主ヘロデの乳兄弟マナエン、サウロなどという預言者や教師がいた。」(使徒 13:1)
アンテオケのサウロは後のパウロですから、パウロも預言者でした。彼の手紙は新約聖書の最も大きい部分を占めていることはご存知のとおりです。

「ユダもシラスも預言者であったので、多くのことばをもって兄弟たちを励まし、また力づけた。」(使徒 15:32)
ユダは手紙をたくさん書いたかも知れませんが、その中の一通が聖書に加えられました。
聖書は初期の新約の預言者の重要な働きであったことでしょうが、新約の預言者の預言者はそれ以降もつづいて存在します。

「そして、神は教会の中で人々を次のように任命されました。すなわち、第一に使徒、次に預言者、次に教師、・・」(I コリント 11:28)
「あなたがたは使徒と預言者という土台の上に建てられており、キリスト・イエスご自身がその礎石です。」(エペソ2:20)
「こうして、キリストご自身が、ある人を使徒、ある人を預言者、ある人を伝道者、ある人を牧師また教師として、お立てになったのです。」(エペソ4:11)
これらの聖書箇所は、明らかに現在の私たちに続く存在として預言者を示しています。

 預言者の職務の中心は、神のことばを取り次ぐことです。神のことばは聖書にありますから、私たちはそれに精通するものとならせていただき、隣人にそれを語らなければなりません。

(以下次号)
(仙台聖泉キリスト教会員)

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