読者の広場 <短歌>
— 庭の客 3 —
鈴木 健一
我が家の庭には大きなガマガエルが、主のように棲んでいた時期があります。毎年暖かくなると出てくるのです。最初は驚きましたがいつの間にか、草が生え放題で虫が多く、くもの巣がたくさん張る庭でしたから、蝦蟇の餌もたくさんあったのでしょう。しかし、家を建て替えるときかなり土を盛ってしまったせいか、最近は見かけなくなり、何か寂しい感じがしています。蝦蟇がいる庭の光景が、私の心の一部になっていたのです。
そこかしこ くもの巣光る 庭にがま 出て来たらぬか 梅雨も明けたり |
つわぶきの 葉のゆれ 肥えし がまがえる いぼの背揺すりぬ 久しぶりなり |
肥えし蝦蟇 短き足にて 垣根ぬひ 道路(みち)には行かな 車が来るぞ |
(インマヌエル大宮キリスト教会 会員)