同労者

キリスト教—信徒の志す—

聖書研究

— 万人祭司・万人予言者・万人王(第95回) —

野澤 睦雄

・・クリスチャンはみな預言者である。みな祭司である。また王である。キリストにあって、神は私たちを一体とし、そして王位に着けられた。
・・ C.E.ジェファソン(「教会の建設」から引用)

4.おわりに(つづき)

 王について述べてきたことを、整理しておきたいと思います。
 旧約の王に関する節で、取り上げた内容をもう一度引用します。
・・・ 「キリストは教会のかしら」(エペソ 5:23)であり、「教会はキリストのからだ」(コロサイ 1:24)です。かしらが祭司であり預言者であり王であるのに、からだがそうでないということがあるでしょうか。ここに、万人祭司、万人預言者、万人王である確かな証拠があります。ですから、キリストのからだである教会は祭司、預言者、王であり、教会を構成するキリスト者ひとりひとりもそうなのです。
 「かしら」は、世に対して祭司、預言者、王としての働きをなさるのに当たって、「からだ」を使って働かれます。
 キリストは高き天において、父の右に座し、祈っておられ、父の前に執り成しをなしてくださっておられる、そうでしょう、さらに地においても彼の祈りが続いています。彼のからだであるキリスト者が隣人のため祈るときそれがキリストの祈りとなり、隣人のために執り成しをするときそれがキリストの執り成しとなるのです。それがキリスト者に特権として与えられているのです。・・・
 新約の王に関する箇所で、旧約の王についてのまとめを引用しています。
・・・王は、
・自分の支配下にある人々を組織し、
・法律を定め、
・組織した人々を使って実行(行政)させます。
・法に反するものを取り締まり、処罰します。(司法)
・租税を定めて徴収します。
・また軍隊を組織し、外国から国を守ります。(軍事)
・組織の人々が、それぞれの役割を果たすために必要な訓練、たとえば軍ならば軍事の訓練というように、をします。(教育

 神を畏れ、神を信じ、神を愛し、神のみこころに沿った実生活をする上に、王の働きが大きいのです。
 自分に委ねられた人々に、神を畏れる生活を「させる」ことが王の使命です。
自分が「する」ことができても、「させる」ことのできないことはいくらでもあります。「王」、「させる」という視点が、皆さんの信仰にしっかり根付きますように。

(以下次号)
(仙台聖泉キリスト教会員)