同労者

キリスト教—信徒の志す—

ショートコラムねだ

— プリウスのブレーキ —

 世の中、ハイブリッドカーなるものが増えた。その先端を走ったのが表題の車、プリウスである。ガソリンエンジン・・ジーゼルエンジンでもよいが・・とモータの両方で走るから、ハイブリッド(雑種、混血、異質の要素の混合物、の意)というわけである。
 恐らくこのモータは、直流モータであろう。直流モータには、具合のよい特性がある。回転しはじめに強いトルク(力と思えばよい)が発生する。そのため止まっている車を動かし始めるには好都合である。・・この特性のために、5昔ほど前まであった路面電車は直流モータで走っていたのをご記憶だろうか?・・
 逆にエンジンは、動かし始めるとき、ガソリンを食う、というわけで、直流モータで走り始め、スピードがでたら、エンジンに切り替えると、エネルギーの消費量が少なくて済む、というわけである。
 次に表題の後半、ブレーキである。運転すると、頻繁にブレーキをかける必要があることは、ご存じの通り。直流モータは、電気を流さず、無理無理軸を回してやれば、逆に電気が発生する。これまた好都合な特性である。油圧で作動するブレーキの代わりに、坂道下りのエンジンブレーキならぬ、モータブレーキ状態にしてやれば、電気を発生するので、それをバッテリーに貯め、モータで走るときに使うと言うわけである。
 と、説明するまでもなく、皆さんご存じのことであろう。
 以上は前置き、これからが本論である。
 私の教会のI兄は、プリウスを買ってオーナーとなった。彼言うに、「どうも、ブレーキが変だ。いままでのガソリンエンジンだけの車のようでない。」と。
 毎日乗っているオーナーの感触であるから、真実に違いない。
 かくいう私めも、プリウスを運転したことがある。仕事の都合で、プリウスに同乗し、1日がかりの長距離を走った。それでかなりの長距離を私が代わって運転した。
 だが、だがである。私には、毎日乗っている車とブレーキに差は感じられなかったのである。私の運転には思い当たることがある。いつもブレーキはそろそろっとしか踏まない、というように。
 と言うわけで、「プリウスのブレーキは変」という証言と、「普通の車と変わらないよ。」という証言がバッティングした。
 しかし、これは、実は両方真実である。なぜか?車の何かでなく、乗った人の感触にすぎないからである。

 よく、聖書の中で、こっちの記事と、こっちの記事が違う違うと、我が意を得たりとばかり、騒ぎ立てる人がいるが、プリウスのブレーキと同じようなもの、そうお気になさるなかれ。