聖書研究
— 救いについて(55) —
野澤 睦雄
「イエスは答えて言われた。「もしあなたが神の賜物を知り、また、あなたに水を飲ませてくれと言う者がだれであるかを知っていたなら、あなたのほうでその人に求めたことでしょう。そしてその人はあなたに生ける水を与えたことでしょう。」(ヨハネ 4:10)
4.救ってくださる神
前章で、救っていただくことによって、人は何を頂けるのかについて考察しました。神はイエスの死によって、人の冒した罪の赦しと、罪の性質の両方について救いをお与えになりますが、罪の性質に対する救いについては述べてきませんでした。それについてはあとでのべたいとおもいますが、その前に本章では、神の賜物である救いを与えてくださるお方、神、について考察しようと思います。
冒頭の聖句で、イエスが言っておられる、「あなたに水を飲ませてくれと言う物がだれであるかしっていたら・・」というその「だれ」を知りたいということです。
神はご自身を、父、子(イエス・キリスト)、聖霊としてお示しになりました。
父、子、聖霊はそれぞれ人格をお持ちです。人間でいえば三人のお方です。しかし神はご自分を一人だと言われました。それで、父、子、聖霊については「位格」と呼び、三位格の方が一人の神である理解しました。「位」は「み」といい神を「三位一体」(さんみいったい)の神であると言います。
冒頭のみことばのつづきに、
「しかし、真の礼拝者たちが霊とまことによって父を礼拝する時が来ます。今がその時です。父はこのような人々を礼拝者として求めておられるからです。神は霊ですから、神を礼拝する者は、霊とまことによって礼拝しなければなりません。」(ヨハネ 4:23-24)
とイエスは言われました。
「神は霊です」
これは重要な神の本性(ほんせい)のひとつです。
人間は「神に似せて創造され」ましたから、神と同じに「霊」を持った存在です。
「人格」ということばが使われますが、「人格」とは「霊」と同じであると考えて差し支えありません。
地上には物質の世界があります。全宇宙にと言ってもいいです。そこに命のある生き物である動植物と微生物、そしていのちのないものが存在します。さらに同じこの宇宙に、霊の世界があります。
人間のこころの働きを「知・情・意」と言います。動物も知情意を持っていることは明らかです。犬や猫などのペットを飼ってみればそのことがよく分かります。
ですから「霊」は、「知情意」以上のものです。動物は霊をもっていません。霊であるものは神、天使、人間、悪魔、悪霊です。