同労者

キリスト教—信徒の志す—

読者の広場 <短歌>

— 仲秋の月 —

鈴木 健一

 月は、万葉集の時代から詠われた歌材です。膨大な数の歌があり、いまさら短歌になるだろうかとも思います。しかし、時代が変われば、月の見方も変わります。しかも、月への個人的感情は、無数あるはずです。私が属する短歌会で、「お題」が「月」とされた時、こんな風に考えて歌って見ました。
 仲秋は、普通「ちゅうしゅう」と読みますが、「なかあき」と読む場合もあります。一首目は、最近廃れてしまった「お月見」の風習の「茄子」を意識して、少し古風な感じを出すため「なかあき」と読んでみました。
 月にロケットが飛ぶ時代ですが、私は日常生活ではこんな風に感じながら生きているのです。私にとって月は、単なる物質ではなく、神さまが人の為にお与えになった光である、と考えている故かも知れません。

仲秋(なかあき)の 月に明るむ ベランダの
鉢植えの茄子
ひめやかに光る

暑き夜は なほも続くか
仲秋の 月しみじみと
ながめて見たし

明日からは 信濃の旅よ
自転車を こげば
仲秋の 月のぼり初む
  
(インマヌエル大宮キリスト教会 会員)

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