同労者

キリスト教—信徒の志す—

巻頭言

— 本誌「同労者」の神学上の立ち位置と刊行の目的について —

野澤 睦雄


「私たちは真理のために彼らの同労者となれるのです。」(ヨハネⅢ 8)

 本誌は刊行をはじめてから22年と数ヶ月経ちました。迎えました1年を前に本誌の展望を考えるとき、今一度その目的と神学上の立ち位置を説明しておく必要を覚えています。

   <本誌の神学上の立ち位置>
 結論から先に述べますと、本誌の神学上の立ち位置は「聖書信仰」のみです。
例えば「日本福音主義神学会」がありますが、その会ではルーテル派系の神学的立場の方々、カルヴィン派系の神学的立場の方々、アルミニアンウェスレアン系の神学的立場の方々が一緒になって講演会をおこない、それぞれの信じている立場で講演をし、論文を出しています。本誌はそれと同じあり方です。
 本誌を手にとられている皆さんが、神学的立ち位置に偏りを感じられるであろうと思いますが、その原因は執筆者を均等に得られていないためです。

 <本誌刊行の目的>
 先ず本誌を刊行するに至った経緯ですが、本誌発刊の少し前に、聖泉連合総会で「部会」というものを設けて連合の活動をしていくことになりました。その中のテーマのひとつに「信徒部会」をつくり、信徒の交流と研鑽を目指すことにしました。その時私と本誌の編集委員をしている吉田淺兄がこの信徒部会の信徒側の担当者となりました。それで信徒会をつくり会合を持つことを目指しましたが実現に至りませんで、代わりに各教会の活動状況や、証し、随想などを文章に書いて貰い月刊誌として発行することにしました。それが本誌のスタートでしたが、その時刊行の目的を、
「他の教会はさておき、自分の教会の先生方の『同労者』となることを目指し、そのために研鑽しよう。」
ということにしました。これが今も変わらない本誌刊行の目的です。
 当初は聖泉連合だけですから神学上の立ち位置は考えませんでした。
 刊行をしばらくつづけるうちに、「自分の教会の先生の同労者」なら、聖泉連合のなかにとどまっていなくてよい。もっと広く「自分の教会の先生方の同労者をめざす」ことに共感して下さるひとびとに加わっていただこうと考えました。そうなりますと、神学上の立ち位置が問題になりますから、「聖書信仰に立つ」ことのみを条件としました。そのまま現在に至っています。

 聖書信仰に立つ、福音的な教会の皆さんに安心して加わって頂きたいと思います。 そして先生方以上に信徒の皆さんにこれを読んで頂きたいのです。また投稿のために書くことは一層よい研鑽になります。

(仙台聖泉キリスト教会 会員)