同労者

キリスト教—信徒の志す—

巻頭言

— 中国への旅 —

石井 行雄

 8月24日より28日まで、義父(兄弟団宇都宮教会)と義弟(同・水戸教会)、そして私の三人で、中国とロシアの国境の都市、黒河より約三十キロ西にある大額に行ってきました。
 義父は18歳の頃、そこで2年間、4百人の開拓民と共に生活し、その後終戦とともにソ連軍の捕虜となり、1年間辛いシベリアの炭坑で強制労働に耐え、帰国、まもなく兄である真岡教会、橋本先生の導きで信仰に入り、結婚、宇都宮に移ってクリーニング店を開業しました。宇都宮教会で、現在103歳で札幌に住んでおられる初見先生と20年間苦楽を共にし、81歳の今も元気で仕事に励んでいます。特に宇都宮教会が創立された初期の頃は、経済的に苦しく、そこには激しい信仰の戦いがあったと聞いています。
 戦争という苦難の時代に生きたその時、その所での思いは、平和な時代に生きた私には到底届くことができません。
 今回は義父の長年の強い希望があり実現しました。60年振りに思い出の地を踏んだ時は感無量の様子でした。残念なことに住んでいた家は、農業用溜め池となって水没してしまいましたが、網で鮭などの魚がいくらでも捕れた所(アムール川、写真)開拓団本部の石の門柱(写真)にゆくことができました。
 心配していた現地の人々の対日感情も友好的(写真)で何のトラブルもなく、また最後の比は北京で思いがけず、日中戦争の発端となった廬溝橋(写真)も見学でき、今ある平和を感じながら帰ってきました。
 義弟よりも宇都宮に行くことが少ない私ですが、そういう意味でも良き親孝行の旅行ができたことを感謝しました。

「主は、あなたを、行くにも帰るにも、今よりとこしえまでも守られる。」(詩篇 121:8)

アムール川を背に
アムール川を背に

開拓団の門柱のところで
開拓団の門柱のところで

現地の人と
現地の人と

盧溝橋にて
廬溝橋にて

旅の地図

(仙台聖泉キリスト教会 会員)
 

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